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運転能力とリハビリテーションの捉え方

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突然の病気やケガによって障がいを負ってしまうことがあります。私は作業療法士として病院や職能団体の活動を通して運転の再開に向けたリハビリテーションに携わっています。、最終的な結果は運転免許の更新の可否に委ねられます。当然、発症しても治療とリハビリテーションをしっかり受けて病状が固定化した状態で運転に必要な機能がありと医師の判断が下された場合、運転再開に向けたリハビリテーションがスタートするのが一般的です。病院や施設によっては専門的な検査やドライブシミュレーターなどの機器を活用して運転能力の確認と機能向上に注力していきます。運転免許の更新には、一定の病気である場合、医師の診断書が必要となります。特に脳卒中は物事の判断する機能が低下する高次脳機能障害や手足の麻痺などが残る場合が多くありますので、しっかりと担当の医師や作業療法士などリハビリ専門職と話し合う必要があります。

何はさておき、病気による影響があるのでご自身の身体のことをご本人とご家族がしっかり理解することが大切です。病状の安定と共に運転再開に向けた合意ができたなら、一定の病気に該当する場合は運転免許センターで臨時適性検査を受ける必要があります。先ずは安全運転相談を経て適性検査に進むことが基本ですので、診断書やその他必要書類を確認しておきます。病気の回復が免許の更新期間を過ぎてしまう場合、6ヶ月以内であれば必要書類を提出、最長3年までその理由によって失効せずとも更新が可能となります。

ただ、70歳以上の高齢者の場合は高齢者講習が必須となり、令和4年5月13日から75歳以上の場合は過去3年間に定められた違反があれば運転技能検査が課せられます。合格しないと失効となりますので、ご注意が必要です。私たち運転リハビリに関わる専門職にも過去3年間の違反の確認をすべきかも知れませんね。できれば運転再開を希望する患者様の初めの面談がすごく重要であると思います。しっかりとニーズと背景を聞き取り、ご家族様とも確認して進める必要がある部分です。丁寧な説明と合意が必要ではじめてスタートラインに立てる条件が揃うことになるのですから。

運転の再開に向けたネットワークとしては、地域の自動車教習所との連携があれば実際に運転して評価を受けることも可能です。校内で福祉車両(手動運転装置や旋回グリップ、左足ペダルの装着が選択可)の教習車両で運転してみると、ご自身の運転する能力に対する理解がすすみます。しかし、全ての病院が自動車教習所との連携がスムーズにできているかと言えば「課題と感じる」との意見をよく耳にします

自動車教習所で実際に運転できる、できないは大きく違うので病院や診療所、介護保険事業所のスタッフと教習所が繋がることが一番の納得に繋がるはずです。運転という体験が何より大切、よく言いますね「百聞は一見にしかず」と…でも、進んんでその先にあるものは「百見は一体験にしかず」です。最近はドライブシミュレーターが凄くいろいろな分野で活用が進んでいます。車をはじめ電車や航空機にも実際のパイロット(運転手)の方が練習されていますので、リハビリ用のシミュレーターも本田技研工業株式会社の「Hondaセーフティナビ」を筆頭に全国的に普及してきています。弊社にも「Hondaセーフティナビ」の1画面を設置しております。

ドライブシミュレーターは単純及び複雑の選択反応検査やハンドル操作、総合学習体験や危険予測などが用意されています。3画面ソフトの場合は空間認知に課題のある方の検査も可能ですが、あいにく弊社は1画面(現在は製造していない)版のタイプを活用していますので、必要最低限の確認に留まりますが、有効な評価と感じています。安全に運転能力の概要を把握することは可能ですが、ゲーム機の応用ですので実際の車の操作感とは違ったものとなります。特にブレーキ感覚は特殊なものですのである程度の習熟が必要かと思います。人によってはシミュレーター酔いを訴える方も相当数あるかと思いますので、長所と短所を理解して活用いただきたいと思います。

そして、提案したいのが「停止車両評価」という本田技研工業株式会社安全運転普及本部と立ち上げた四国運転リハプロジェクトで開発した動かさない車を用いた実践的評価方法です。

実際の車を動かさないで実車評価する手法で、自力での乗降や運転姿勢、ペダルやハンドルの操作能力、視野、注意、車両間隔を測定する手法です。専用のスケールをご使用いただければ簡便に車両感覚を測定することができます。これは運転に必要な能力から必要な身体や認知機能を推し量るという手法で、課題を実際の体験を通してご本人と共有することが可能です。過度の期待を持たせるなどの弊害もあるかも知れませんが、それ以上に納得が得られることが何よりの成果であると確信しています。弊社でも専用のスケールを開発したり、オンラインセミナーを開催して、普及啓発に努めています。

詳しくは停止車両評価のブログでご紹介いたします。

最終的には、運転するという行為を実際に近い環境で体験して納得することが何より大切と考え、「説得より納得」というスタンスで運転リハビリテーションを進めていただくことを目的にしています。

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